太陽光発電事業を検討している企業にとって、補助金の活用は初期投資の大幅な削減につながります。2024年度もさまざまな事業用太陽光発電の補助金が用意されており、蓄電池の併設や再生可能エネルギーとの併用が奨励されています。同時に、売電価格の動向も考慮に入れる必要があります。この記事では2024年度の事業用太陽光発電に関する補助金制度の詳細と、採用されるためのポイント、売電価格との関連性について詳しく解説します。目次【2024年度】太陽光発電補助金制度の概要引用元:photoAC事業用の太陽光発電システムに対してさまざまな補助金が用意されています。需要家主導の太陽光発電導入促進補助金や、蓄電池導入支援事業に注目です。これらの補助金制度は、企業が自家消費を促進し、CO2削減やエネルギーコスト削減を目指すために知っておきたい大切なポイントです。ここでは、以下2つの補助金について紹介します。需要家主導型太陽光発電導入促進補助金再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業支援事業によって、対象設備や補助率が異なりますので、事前にチェックしておきましょう。①需要家主導型太陽光発電導入促進補助金この補助金制度は、2MW以上の大規模な太陽光発電設備を導入する企業が対象です。補助額は導入費用の最大2/3に達し、設備導入の初期コストを大幅に軽減できます。補助対象設備・太陽光発電システム補助率・太陽光発電システム公募日程単年度事業:令和6年9月19日(木)~ 令和6年10月25日(金)17:00よくある質問需要家主導型太陽光発電導入促進事業についてよくある質問を2つ紹介します。Q:1件当たりの申請上限額はあるか。 1件当たりの申請額に上限はありませんが、採択は事業予算の範囲内で行います。補助対象設備(発電所)の合計出力(AC)の上限は、30MWとしております。引用元:令和6年度予算 需要家主導型太陽光発電導入促進事業Q:国や地方公共団体が行う補助金などとの併用は可能か。国が行う他の補助金との併用はできません。なお、地方公共団体が行う補助金等との併用については、それぞれの地方公共団体に確認してください。引用元:令和6年度予算 需要家主導型太陽光発電導入促進事業こちらの事業について詳しく知りたい方こちらから令和6年度予算 需要家主導型太陽光発電導入促進事業②再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業この補助金は、蓄電池を併設する太陽光発電設備に対する支援を提供します。エネルギー価格の安定化を図る企業にとっては、太陽光発電と蓄電池のセット導入が重要です。補助対象設備補助対象事業の用に供するために、新規に取得し、設置され、FIP認定設備の一部として設置される蓄電池関連設備。補助率1/3以内公募日程単年度事業:令和6年9月19日(木)~令和6年10月25日(金)17:00よくある質問再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業についてよくある質問を2つ紹介します。Q:1件当たりの申請上限額はあるか。 1件当たりの申請額に上限はありませんが、採択は事業予算の範囲内で行います。ただし、導入する蓄電池の容量は、当該蓄電池に接続されるFIP 認定設備の出力(AC ベース)に0.5を乗じた値又は1,000kWh のいずれか小さい容量を下限とし、FIP 認定設備の出力(AC ベース)に3を乗じた値を補助対象の上限とします(これを超える規模の導入は妨げません)。引用元:令和6年度再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業Q:リース・レンタル・中古の設備は補助対象になるか。補助対象設備に関して、リース・レンタル・中古の設備は補助対象外です。(ただし、電動車の駆動用蓄電池のリユース蓄電池を除く。)工事で使用する建設機器・機材について、リース・レンタル・中古を妨げるものではありません。引用元:令和6年度再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業こちらの支援事業について詳しく知りたい方はこちらから令和6年度再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業補助金の応募における注意点と採択ポイント引用元:photoAC補助金を受けるためには、いくつかの重要な要件を満たす必要があります。事前準備や手続きが複雑なため、早めの応募をおすすめします。系統連系の事前申請系統連携とは?「系統連系」とは、太陽光発電などの発電設備を電力会社の配電網に接続し、発電した電力を供給できる仕組みのことです。この連系により自家消費分を賄い、余剰電力を売電することが可能になります。自宅での電力消費と売電を両立できる点が特徴です。補助金の中には、系統連系の接続申込が事前に完了していることを条件とする場合があります。これにより、計画が確実に進んでいる企業に優先的に補助が適用されます。系統連系の手続きには時間がかかる場合があるため、早期の対応が重要です。運転開始日の設定補助金申請には、太陽光発電所の運転開始日が指定されている場合があります。この日程に合わせた計画が重要です。資材の納品や工期に時間がかかる場合、十分な余裕を持ってスケジュールを調整する必要があります。運転開始日を遅延すると、補助金の交付が取り消される可能性もあるため注意が必要です。太陽光発電と蓄電池のセット導入のメリット引用元:photoAC補助金の活用だけでなく、太陽光発電と蓄電池の併設が事業用設備の導入においてますます重要視されています。発電した電力を効率的に蓄電し、ピーク時の電力使用量を抑えることで、さらなるコスト削減が可能となります。自家消費の最適化蓄電池を併設することで、昼間の余剰電力を夜間や電力需要のピーク時に使用できます。これにより、電力会社からの購入電力を最小限に抑え、電気料金の削減につながります。売電価格低下への対策2024年の売電価格は1kWhあたり16円程度と予想されており、過去と比べて大幅に下落しています。蓄電池の活用により、売電に依存せず自家消費を最大化することで、売電価格低下の影響を軽減できます。電力供給の安定化 太陽光発電は天候に左右されやすいですが、蓄電池を併用することで安定した電力供給が可能になります。事業継続性の向上にも寄与します。売電価格の動向と自家消費型システムの重要性引用元:photoAC2024年の売電価格はFIT制度の影響もあり、過去と比べて大幅に低下しています。このため、補助金を活用した自家消費型システムの導入がより経済的な選択肢となっています。売電価格の推移2012年には42円/kWhだった売電価格が、2024年には16円/kWhまで下落しています。この傾向は今後も続くと予想されています。自家消費のメリット売電価格の低下に伴い、発電した電力を自家消費することのメリットが増大しています。電力使用量の多い事業者にとっては、自家消費型システムの導入が大きなコスト削減につながります。長期的な経済性補助金を活用して初期投資を抑えつつ、自家消費型のシステムを導入することで、長期的な電力コストの削減が可能になります。これは、将来の電力価格上昇リスクへの対策にもなります。補助金を活用して太陽光発電を始める企業におすすめの2社引用元:photoAC補助金制度を活用して太陽光発電システムの導入をお考えの企業様に、おすすめの企業をご紹介します。これらの企業は豊富な経験と専門知識を持ち、ニーズに合わせたソリューションを提供しています。1.株式会社イワテック引用元:株式会社イワテック公式HP会社名株式会社イワテック本社所在地〒850-0045 長崎県長崎市宝町7番5号 第2イワテックビル電話番号095-843-6448設立1989年4月事業内容・地熱発電事業・バイオマス発電事業・EMS事業・O&M事業・水素・燃料電池事業公式サイトURLhttps://www.iwatec.co.jp/株式会社イワテックは、太陽光発電を中心に再生可能エネルギー事業を展開する企業です。長年の経験で培ったシステム設計のノウハウを活かし、特定メーカーに依存しない柔軟なアプローチを採用。使用量や用途に合わせた最適なシステムを一人ひとりに提案しています。また、インド・コルカタに支社を設けるなど、国際基準に基づく高品質なサービスを提供し、グローバルに事業を展開しています。太陽光発電は設置後の管理が重要です。イワテックでは、自社メンテナンス部門が定期点検を実施し、トラブルの早期発見に努めています。万が一の際にも地域密着型の迅速かつ柔軟な対応が可能な体制を整え、導入後も長期的に安心して利用できるサポートを提供しています。2.株式会社日本ベネックス引用元:長崎工業会公式HP会社名株式会社日本ベネックス本社所在地〒854-8555長崎県諫早市津久葉町99-48電話番号0957-26-5111設立1966年4月事業内容・産業機器、大型映像装置、電機・電子機器、空調冷熱機器の設計・製造・太陽光発電システムの設計・施工および自社発電所の運営公式サイトURLhttps://www.japan-benex.co.jp/株式会社日本ベネックスは、1957年の創業以来、精密板金加工技術を基盤に成長を続けてきました。2012年からは環境エネルギー事業に参入し、太陽光発電分野で着実な実績を築いています。現在は43件の自社発電所を保有しており、総出力は約56.6MWに達しています。特筆すべきは物流施設の屋根を有効活用した「屋根借り太陽光発電所」での実績で、26件(約47.6MW)を展開しています。事業モデルとしては、自社発電所の運営(IPP事業)と顧客向けの設計・施工(EPC事業)の両輪を展開。近年はFIT制度に依存しない再生可能エネルギーの普及を目指し、蓄電池システムや自家消費型発電所の設置にも注力しています。長年培ってきた電気設計技術と革新的なアプローチにより、企業の脱炭素化ニーズに確かな解決策を提供しています。まとめ引用元:photoAC2024年度の補助金制度は、企業が太陽光発電システムを導入する大きなチャンスです。蓄電池を併設した自家消費型の発電設備が補助金の対象となり、これを活用することが成功の鍵となります。売電価格の低下を踏まえ、自家消費を主体とした設計が重要です。早期の申請準備や系統連系手続きの完了も採択の重要ポイントです。補助金を活用し、太陽光発電と蓄電池をセットで導入することで、長期的なエネルギーコスト削減とリスク軽減を図ることができます。長期的な視点で、環境への貢献とコスト削減を両立させる太陽光発電システムの導入を検討しましょう。